医師の転職 | 面接で落ちる人と受かる人

 医師はあまり面接を受ける機会はありませんよね。就職活動というものがそもそもないですから。それでも、当然のことながら転職するときには必ず面接があります。医師は不足しているので、面接なんて形ばかりと思っていると足元をすくわれます。面接で普通に落とされることもあるんです。かくいう私も、普通に落とします。では、面接で落ちる人と受かる人の違いは何なのでしょうか。40名以上面接してきた経験から、私の独断と偏見で述べさせてもらえればと思います。

第一印象

 何事も第一印象は大切です。汚らしい格好で、頭には寝癖がついているというような人がやってきたらどう思いますか。人間性は外見だけで判断することはできませんが、さすがにそんな恰好でやってこられたら無理ですよね。患者さんにも同じような格好で接するんだろうなとわかりますから。実際、私はこの理由で落としたことがあります。

 なにも、リクルートスーツに身を包む必要はありません。ただ、清潔感は最低限必要です。なんせ、医療従事者なのですから。病理検査室で顕微鏡を見るだけで、全く患者さんと接触することがないのであればそれでもかまわないのかもしれませんが。臨床医としては、完全にアウトです。

 あと、入室してくるときに全く笑顔がないのもいただけません。眠たそうな顔をしていたり、仏頂面をしていたり、なんか怒ってますかと言いたくなるような表情なのはきついですね。当直明けでしんどいのかもしれませんが、同じ態度で患者さんに対して接すると考えるとありえないとしか言いようがありません。こういう人も結構多いですね。

日本語が話せるか

 日本人かどうかということではありません。コミュニケーションをとることができるかという意味です。面接者には、質問されたことに答えましょう。「ご自宅はここから遠いと思いますが、どうやって通われる予定ですか?」という質問に対して「自宅は30年ローンで買ったんです。変動金利は怖いので固定金利で。なかなかいい物件に出合えずに…」と返答する人はアウトです。5分ぐらい聞いたら、答えが返ってくるのかもしれませんが、そんなに待てません。「電車ですね。快速を使えば意外に30分ぐらいで来れるんですよ。」こういう風な答えができること。つまり、日本語がちゃんと話せるかどうかというのが大事です。数名日本語を話せない人を落とした記憶があります。

転職先のことを調べたか

 なにも、新卒の人みたいに企業分析をしなさいと言っているわけではありません。最低限、自分が転職する先の病院もしくはクリニックのホームページぐらい見ておきましょうねという意味です。実際、みていますか。見ていないことも多いんじゃないでしょうか。ホームページを見ることで、どういうことに力を入れているのかとか、どういう理念を持って診察を行っているのかとかぐらいはわかると思います。自分から面接者に対して、ホームページを見て疑問に持ったことをきくことができたら、かなり好印象ですね。

何が求められているのかわかっているか

 自分に何が求められているのかわかっていない医師が本当に多い。経営者は何らかの目的をもって医師を雇用するわけです。その目的に役に立ちそうか、それとも全く役に立たないか。それを判断するために面接を行っているわけです。全く役立ちそうになければ、面接では落とされます。

 だから、先述した通りホームページぐらいは見ておいた方がいいわけです。この病院はどういう人が欲しいのかなというのがなんとなくわかるので。しかし、ホームページだけではなんとなくしかわかりません。なので、逆に面接の中でそれを探るようにしましょう。自分の持っているスキルのうち、何が求められているのか。それが分かれば、うまくアピールすることができます。もし、自分に求められているものがないと分かった場合は、辞退しましょう。お互い、採用のミスマッチは避けたいですからね。

転職する前にこれだけは読んでください

 いろいろ書いてきましたが、医師のキャリアを考える上ではこれだけでは足りません。転職で失敗する前に、これだけは読んでほしいというWEBサイトを作りましたので、下記もご参考にしてくださいね。

この記事を書いた人

坂口海雲