メトホルミンは世界で一番使われている糖尿病治療薬であり、抗老化作用もあるとてもいい薬です。しかし、同時に世界で一番飲むのをやめてしまう薬でもあります。その理由は、下痢が起こるからです。今回は、その下痢が起こる理由とその予防方法をご紹介しようと思います。
なぜ下痢が起こるのか
下痢やその他の胃腸の副作用を引き起こすメトホルミンの正確なメカニズムはまだ不明です。様々な研究で、セロトニンの腸分泌の刺激、インクレチンとグルコースの代謝の変化、胆汁酸塩の吸収不良など、いくつかの説明はなされていますがこれといった決め手はない状況です。
実際には、それぞれがそれ自体で下痢を引き起こすことが示されているため、これらすべての要因の組み合わせである可能性があります。メトホルミンを服用している人は、だんだんと体がメトホルミンに慣れてきます。それにつれて、下痢やその他の胃腸の副作用が軽減されてきますが、一部の人はなかなか下痢が治まらないということもあります。
下痢を防ぐためには
メトホルミンの副作用は、いくつかの簡単な方法ででこれらを最小限に抑えることができます。まず、メトホルミンの服用を始めたばかりの場合、2週間頑張って服用を続けてください。多くの人は、約2週間ぐらいで副作用がなくなります。2週間経っても下痢やその他の胃腸の副作用が続く場合は、食事と一緒に薬を服用してみてください。メトホルミンを食事と一緒に服用すると、体が薬を吸収するのが遅くなり、副作用の可能性が低くなります。
メトホルミンを1日1回だけ服用する場合は、夕食後のような一番たくさん食事をした後に服用し、薬を1日2回服用する場合は、朝食と夕食時に服用してください。また、ビオフェルミンのような整腸剤を追加することで、下痢症状を和らげることも可能です。
その他の副作用
メトホルミンのその他の副作用は下記のようなものがあります。
- 胃痛
- 腹部膨満感
- 口の中の苦み
- 吐き気または嘔吐
- 胸焼け
- ガス
- 便秘
- 頭痛
- 体重減少
あと、気になる副作用としては乳酸アシドーシスがありますが、これに関しては「なぜメトホルミンで乳酸アシドーシスが起こるのか」を参考にしてください。
メトホルミン外来
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