メトホルミンを老化治療として飲むのはいいけれど、いろいろなものを我慢してまで長生きしたくない。というのが、人間の本音ですよね。そこで、一番多い質問が、「お酒を飲んでもいいですか?」ということなので、今回はそれについて説明しようと思います。
結論:別に問題ない(量によるけど)
まず、お酒はメトホルミンを服用していようがいまいが、過度な量を飲むと健康に良くないです。しかし、百薬の長といわれているぐらいなので、少量を摂取すると逆に寿命が延びます。では、それはどれぐらいの量なのかというと、下記ぐらいが一番適量の目安です。
・ ビール(350ml)
・ 日本酒、ワイン(1合=180ml)
・ ウイスキー (シングル=30ml)
意外に少ない量ですね(酒飲みから見ると)。でも、これが最も健康にいい量といわれています。なので、この量を上回らない限り、基本的には全く問題ないと考えていいでしょう。しかし、問題はお酒の量だけではありません。
酒とメトホルミンは何が悪いのか?
メトホルミンで最も恐ろしいのは乳酸アシドーシスです。乳酸アシドーシスに関しては、「なぜメトホルミンで乳酸アシドーシスが起こるのか」に詳しく書いてあるので参考にしてみてください。乳酸アシドーシスは、脱水状態で起こりやすいことがわかっています。これが、お酒との飲み合わせの一番の問題になってくるのです。
ADH(抗利尿ホルモン)というホルモンが人体には存在します。もしこのホルモンが全くでなかったら、尿の量がびっくりするぐらいたくさんになります(1日100リットルとか)。お酒を飲むと、このADHの分泌量が減ります。なので、尿の量が多くなります。思い出してみてください。ビールなどのお酒を飲んだらおしっこが近くなりませんか。
お酒を飲むと脱水になる → 乳酸アシドーシスの危険が増える
つまり、そういうことです。お酒そのものの毒性もありますが、それよりももっと少量で脱水状態には達します。お酒の量というより、この脱水状態がよくありません。たとえ缶ビール350ml(最も健康に良いとされている量)だとしても、真夏の炎天下の下でスポーツをした後に飲んだら危険がいっぱいです。だから、もしお酒を飲むのであれば、お水(お茶とかアルコールの入っていないものならなんでもOK)をしっかり飲んで、脱水状態にならないように注意しましょう。